きっかけは「せっかく先祖が残してくれた鎌原の土地なので利用できるものなら利用してみたい」的な感覚でしたが、浅間山に惚れてしまって以降、「なんとかここに暮らせないか」と変化して来ました。そしてもうひとつ気持ちを後押ししたのは、毎夏の酷暑。子供の頃、神奈川の実家ではクーラーがあるのは客間の一つのみで普段使うことは稀でした。それでも特に暑さが苦になった記憶はありません。大人になってからも最近まで、夏の夜、クーラーをつけて寝るなんてことはなかった。でもこの2、3年、温暖化のせいなのか、歳のせいなのか暑さが堪えるようになりました。標高約千メートルの嬬恋に憧れました。
ネットで現地の建築工房を探して連絡を取り、2022年6月に鎌原の土地を見てもらいました。自分で登記簿頼りにたどり着いた場所だったので、間違いないとは思うものの証拠はない。加えて水と電気(電気は近くに電線があったので大丈夫そうだった)インフラがわからないというわけで、この時この建築工房さんにはあまり相手にしてもらえませんでした。まず土地の所在を確定してからというわけです。それで測量屋さんを紹介してもらい、境界標の確認と登記簿とのすり合わせを行いました。冬季は現地作業ができないので時間がかかってしまったけれど、2023年5月に測量屋さんと現地で境界標など確認しました。敷地内は斜面がほとんどで高低差15メートル以上あったように思います。一面熊笹に覆われていましたが一部公道に面した所は平地で、ところどころにヤマザクラが生えていて視界も開けていました。測量費用として41万円かかってしまいましたが、なんだか秘密基地を作るようでワクワクしてきました。ちなみに9本ある境界標のうち3本倒れていたり傾いていたりしていました。公道に面した境界標の場合、除雪作業の時に引っ掛けて動いてしまったり、また斜面の境界標の場合、土砂崩れがなくても長年の雨や雪の影響で動いてしまうことがよくあるそうです。


あとは水の確保ということで、嬬恋村役場に尋ねたところ、最寄りの水道管まで2kmもあるので現実的に無理とのこと。隣接の長野原村に相談してみた方が良いとアドバイスをいただきました。長野原町役場には、近くまで農業用の水道管が来ているがアクシデントに対応できないため今は町外には水道を提供しないとのこと。後に近所の方に聞いてみたところ、基本的に井戸水をフィルターを通して使っていて、一応飲用水はどこかからタンクに入れて持ってきているとのこと。秘密基地計画が危うくなって来ました。
当初は、先祖から受け継いだ土地を活用するのが目標だったはずが、たびたびこの地を訪れるうちにいつの間にかこの浅間山北麓に住みたい、に変わってきました。探してみると、この周辺にはいくつもの別荘地が拓かれていて、中古別荘や土地の売り出し物件が結構沢山あった(流行り廃りがあるのか今や廃墟のようになっている別荘地も散見されるが)。魅力的な物件もいくつかありました。一から場所を選ぶとなるといろいろ(今後もっと歳をとっても、さらに子供の代でも利用できるなど)考えることも増えてきます。
・第一に街中じゃない。
・電気と上水を確保できる。
・近くで食料や日用品が手に入る。
・年間を通して利用できる。
・自家用車が無くても辿り着ける(徒歩圏内にバス停がある)。
なんだか相反する条件ですが、これらを満たす物件を絞り込んでいきました。
2023年6月に地元仲介業者に連絡を取って、現地の確認に行きました。別荘地ではないので土地が売りに出されることはあまり無いようです。巡り合わせということでしょうか。何回も通ううちに大体の土地勘もついてきて、ほぼ想像通りの土地だったのでそこからはどんどん話が進んで2023年9月には売買契約、10月には無事決済に至りました。二拠点生活のための山林を、山暮らしの拠点をとうとう手に入れました。
